
コンサルティングを成功に導くためには、経営者マインドをセットしておく必要があります。本記事では経営者に必要なマインドや、会社を運営するうえで失敗しがちな経営者のマインド、従業員のマインドの特徴などを詳しくご説明します。それぞれのマインドや必要性を理解し、会社の業績アップや生産性の向上に役立てましょう。
では、会社を経営するうえで必要なマインドとはどのようなことが挙げられるでしょうか。
まずは事業に対する明確なビジョンを持っていることが挙げられます。しっかりと言語化されたビジョンを持つことで、コンサルタントへも従業員へも明確に経営者の意向伝えることが可能です。経営戦略に多少の変更があったとしても、ビジョンがぶれることなくしっかりと定まっていれば、従業員も安心して変更された経営判断に従うことができるでしょう。
目先の利益に翻弄されるのではなく、長期的な視野を持ち経営判断を行うことができることが、企業経営にとって必要な経営者マインドです。とくに中小企業では、目先の利益を追いかけるあまり事業展開の方向性を見失ったり、従業員に負担をかけたりしてしまうなどのリスクが生じます。
従業員や従業員の家族に対しての責任を持つことは大切な経営者マインドのひとつです。従業員に対してしっかりとした給与体系や事業の仕組み、やりがいを提供することで、業績アップにもつながります。直接売上を生み出しているのは従業員であり、従業員あっての会社経営であることを忘れてはいけません。
では、会社経営に失敗しがちな経営者マインドとはどのようなことが挙げられるのでしょうか。
経営者的な視点を持つ従業員が多くいる企業は、企業の業績は一時的に上向くでしょう。しかし、経営者と従業員は、根本的にまったくマインドが違うということもしっかりと理解しておく必要があります。
全員が全員経営者マインドを持っている場合は、売上や利益率が上がる可能性はある一方で、実務的な作業が遅れたり、従業員同士の意見がぶつかりあったりしてしまうなどよいことばかりではありません。さらに、経営者が従業員に対して経営者マインドを強要することで、離職率が上がるなどのリスクも生じます。
経営者が目先の利益を追いかけてしまうことで、長期的な視点をおろそかにしてしまうという事態が起こりえます。とくに中小企業や零細企業など、資金調達が難しい企業の場合は、生き残ることばかりに目がいってしまうことが多く、中長期的な経営戦略をおろそかにしてしまいがちです。
短期的な目線で経営判断を下してしまうと、中長期的な視点を持って提案されたコンサルティングを受け入れられなくなったり、従業員に負担が大きくのしかかったりしてしまうことも考えられます。ビジョンに沿った形で中長期的な経営視点を持つことが、ひいては事業の成功へとつながります。
では反対に従業員マインドの特徴とはどのようなことが挙げられるでしょうか。従業員のマインドを理解することにより、事業の仕組みづくりや人間関係が円滑に進む可能性が高まります。逆に、経営者であるにもかかわらず従業員マインドを持っている方は、今すぐ経営者マインドにシフトすることが必要です。
従業員マインドには、売上をあげてより多くの利益を残すのではなく、働いた分だけ給与をもらう、という考え方が根本に存在します。会社全体の利益よりは自分の所属する部署やチームの業績を重視する傾向にあるため、経営コンサルティングを従業員が受けてしまうと、成果が偏ってしまう可能性があります。反対に、経営者が安定志向なマインドを持ってしまうと一気に事業のスケールアップが困難になるでしょう。
企業の戦略を立てる際にも、中長期的な大きなビジョンを重視する経営者マインドとは異なり、従業員マインドでは実務的なことに目が向きがちになる傾向があります。しかし、目の前の実務を正確に遂行するということも、会社運営全体にとっては大切な役割であることは理解しておく必要があります。
経営者に必要なマインドと、会社運営で失敗しがちな経営者マインド、従業員マインドの特徴についてご紹介しました。経営者と従業員では見ている景色も目標も、マインドも異なります。会社運営において、経営者マインドは必要で従業員マインドは不要である、ということはありません。根本的な考え方や在り方に違いがある、ということを理解することが大切です。
視点やマインドの違いを理解したうえで事業の仕組みをしっかりと構築すれば、会社という組織をうまく機能させることが可能になります。したがって、根本的にマインドの異なる従業員に経営コンサルティングを受けさせても、あまり意味がありません。経営者マインドを持った経営者が、自ら経営コンサルティングを受けることで、会社全体に利益をもたらすことができるでしょう。