組織・人事コンサルの種別
組織・人事コンサルは組織の構築から人事に関するあらゆる課題を解決し、企業の成長をサポートしてくれる存在です。ここでは組織コンサルと人材育成コンサル、それぞれの種類やどのような役割を果たしてくれるのかをご紹介していきます。これから組織・人事コンサルへの依頼を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
組織コンサル
組織コンサルは、企業の戦略や方針・計画などについて相談し、第三者視点から改善案の提案や問題点の指摘などをしてもらうサービスです。中でも会社に在籍する社員や役員の形成している組織に潜む問題点をあぶり出し、よりよい状態に導くサポートをするのが組織コンサルの役目です。社員のモチベーションアップや成功する企業への改革を進めていくためには、組織コンサルが大きな力を発揮してくれる可能性があります。
組織コンサルは大きく分けて3種類あり、その1つ目がグローバル化に対応する組織コンサルです。グローバル人材の管理や育成はもちろん、グローバル視点での組織や人材の評価・分析、グローバル標準人事制度構築など、日本も含めすべての拠点でのコンサルを受けられます。
2つ目はM&A対応の組織コンサルです。買収などによる組織統合の際に必要な人事制度構築、人材管理がその主な内容で組織の文化が異なる人材を統合する際に役立つでしょう。
3つ目は人事制度・採用・育成に対応する組織コンサルです。企業の成長に欠かせない人事制度や教育、採用の見直しをおこなう際に利用することが多いそうです。
人材育成コンサル
人材育成コンサルは、人材に関わる教育に対するコンサルティングです。人材戦略からM&Aなど人事に関連する業務全般をサポートしてくれるのが一般的で、主な業務として「採用コンサルタント」「人事組織コンサルタント」「人材育成コンサルタント」の3つに分かれます。
人材育成コンサルの大きな役割として、育成方針の設定が挙げられます。育成方針が定まっていないと、そもそも採用の時点でミスマッチが増えてしまい、思ったように育成が進まないという状況に陥ってしまうからです。企業で育成方針を設定するのが難しい場合は、コンサルに育成方針の設定をしてもらうのもおすすめです。
そして人材育成に関わる研修プログラムの設定や、人材が育つための環境づくりといった、人材育成に関するさまざまな課題解決をおこなうのも人材育成コンサルの役割です。新入社員はもちろん経営層まで階級ごとの研修をおこなったり、次世代リーダー育成やマネジメント能力といった、テーマ別の研修プログラムの策定・実行をおこなったりもします。社員が成長することで、経営理念の浸透や経営戦略の実現、さらには業績アップを目指すことができるようになるでしょう。
勤め先の課題・改善点についてアンケートをとりました。
当サイトでは現在企業にお勤めの方、または企業への就業経験がある方に「勤め先の課題・改善すべき点」についてアンケート調査をおこないました。結果の詳細を見ていきましょう。
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1位となったのは「業務内容・量が特定の人に依存している(仕組み化できていない)」で、378人に選ばれました。やはり、どこの企業でも優秀で仕事のできる人には、どんどん仕事が集まっていくのでしょう。個人に業務が集中してしまうと、その人の負担になることはもちろん、急なお休みや万が一退職されたときに業務がとまってしまいます。作業を仕組み化し、みんなが一定の品質で同じ仕事ができるようになれば、個々人の負担が軽減され、より働きやすくなるでしょう。
2位が「組織の風通しが悪い」で、359人に選ばれました。風通しの悪い職場では社員同士のコミュニケーション不足から、協力しあって仕事をすすめることが難しくなります。意思疎通ができていないことからミスが増えたり、業務改善などの新しい意見が出づらくなったりすることも。一方で風通しの良い職場はコミュニケーションがとりやすく仕事も捗るでしょう。また、良好な人間関係から従業員の一体感が生まれ、より大きな成果に繋がりやすくなるといえます。
3位になったのは「社員の教育・研修体制が不十分」で、303人に選ばれました。研修体制がじゅうぶんに整っておらず、その場その場で仕事を教えていると、社員それぞれの能力や理解度、仕事の質に差がでてきます。また、働きづらさから離職につながってしまうケースも。一人ひとりが安心してやりがいをもって働けるためにも、教育・研修体制をきちんと整える必要があります。
アンケート結果から、企業で働くみなさんが感じている業務上の課題や改善点がみえてきました。上記の課題を解決に導く「組織コンサル」を活用するメリットについて解説させていただきますので、ぜひ参考になさってください。
組織コンサルを活用するメリット
これまで組織内で人材育成や組織に関わる決定や対応をしてきた場合、本当に組織コンサルを活用して意味があるのだろうかと考えてしまうかもしれません。しかし組織コンサルを利用することで得られるメリットは多く、上手に活用することでスムーズな組織の成長が見込めたり、より良い人材の確保ができるようになったりする可能性があります。そこで、組織コンサルを活用するメリットについて詳しくご紹介していきます。
専門知識や情報が膨大
組織コンサルをおこなうのは、当然ながらこれまで豊富なコンサルをおこない企業を成功に導いてきた専門家です。その専門家が持つ膨大な知識や情報を、自社のために有効活用できるというのは大きなメリットでしょう。組織コンサルは多くの会社を見てきており、特定の分野に関する知識やノウハウも豊富です。
もちろん成功だけではなく多くの失敗例も目にして来ているからこそ、より的確な提案や課題解決を実現してくれるのです。このように膨大な知識と情報を持つ専門家と一緒に組織改革を進めていけば、不安なくそしてよりスムーズに組織は良い方向に進んでいくはずです。
客観的・合理的な提案が可能
社外の人間である組織コンサルを入れることで、客観的かつ合理的な提案をしてもらえるというメリットもあります。社内だけで問題を解決しようとすると、どうしてもこれまでの習慣やそれぞれの立場、しがらみなどが関係し公平な対策が実施できないという問題が生まれてしまう可能性があります。
その点社外の組織コンサルは立場にとらわれず、客観的に従業員の不満や意見を聞くことができ、組織の常識に関係なく合理的な解決策を提案することができます。また外部の専門家の意見であれば社内の説得をしやすいため、従業員が納得した状態で改革を進めていけるというメリットもあります。
組織コンサル選びのポイント
初めて組織・人事コンサルを依頼する場合、どのようにコンサルティング会社を選ぶべきかわからないという組織もあるでしょう。確かに全国には多くのコンサルティング会社があるので、ポイントを抑えておかないと導入が失敗に終わってしまう可能性もあります。そこでここでは、組織コンサル選びの際にチェックしたいポイントをご紹介します。
専門領域が自社の課題にマッチしている
組織・人事コンサルの専門領域は、コンサルファームや担当するコンサルタントによっても異なり、自社の課題に合う専門領域を扱うコンサルファームを選ぶ必要があります。そのため、まずは自社の課題を明確にし、依頼する目的や方向性を具体的に把握しておくことが重要なポイントとなります。
自社の課題と依頼したい組織コンサルの専門分野との関わりが深いかどうかを確認するために、自社の課題をしっかりとヒアリングしてくれるかどうか、課題解決に向けての明確な指示やアドバイスしてくれるかどうかを確かめてみましょう。曖昧な受け答えをされたり、具体的な提案がされなかったりする場合は、専門領域が異なるファームなのかもしれません。
社内研修や人材育成に手厚い
組織コンサルに依頼する主な目的が人材育成なのであれば、社内研修や人材育成に強い組織コンサルに依頼することが大切です。それにもまずは社内でどのような人材育成をしていきたいのかを明確にしていく必要があります。その内容に従い、どのような採用をおこなっていくのか、既存社員が成長するためのサポートや研修に何が必要なのかを具体的に提示してくれる組織コンサルを選びましょう。
手厚いサポートが受けられるということは、それだけ費用対効果が高いということでもあり、導入した意味も大きくなります。ぜひこれまでどのような人材育成をおこない、どのようなサポートをしてきたのかを見て組織コンサルを選びましょう。
強固な組織作りで盤石な経営体制を実現しましょう
組織の内部にいると、どうしても組織での常識や立場から抜け出しにくく、組織が抱えている問題の根本を見つけられないことも多いです。そうなると組織内だけで組織改革をおこなっていくのは非常に難しくなってしまうでしょう。
だからこそ社外の組織コンサルを活用し、今抱えている問題解決はもちろんコンサルの持つ知識やノウハウを共有してもらい、より強固な組織づくりをおこなっていきましょう。